パーカーの音色


パーカーファンの皆さん

パーカーについてこれだけ多くのことが語られているにもかかわらず、パーカーの音色についての研究はまだ十分でないと思います。 まず彼の音は、正統派、つまりホッジス、ベニーカーター、ウィリースミスやソニースティットとは明らかに違うし、私の知る限り彼の先にも後にも真に彼と同じ音の人はいません。

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Intoxicated BIRD
最近のCDでは、パーカーの音がよりはっきり聞こえるようにマスタリングされ、彼の真実の音色、ナマの音に一層近づいてきた感がします。

それでも、ホッジスやスティットとパーカーの純粋な音の比較-その太さ、アタック、美しさ、ツヤなど-では、パーカーといえども前の二人の後塵を拝す、というのが私の率直な意見です。当時の録音技術のためとはいえません。VerveのJATPセッションでの、ホッジス、カーター、パーカーを聞くと、やはりパーカーの音は「細い」です。さらに言えば、スタジオ録音のときに限ってその傾向があり、ブーツレグのライブ録音では強烈な音のものもあります。(例。1947のカーネギーコンサートなど)

しかし、特に中音域での音、強音から弱音への移行の仕方、あるようなないようなビブラート、等々、聞けば聞くほど先にも後にも例がない、謎の音色です。なぜパーカー以降のほとんど全ての(ポールデズモンドのような稀有な例外を除き)アルト奏者は、あれだけ熱心にパーカーのフレーズを模倣したのに、その音色は模倣しなかったのか(出来なかったのか)、これは今後の大きな研究課題だと思うのです。

一ファンより



2002.10.18 ヒロヤス
 

 

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