独断流バードの性格分析  

 

過去の歴史をひも解くといわゆる『天才』と呼ばれた人の性格を 分析するのは困難を極めている。ジャズの世界で言えば、バード を筆頭にバド・パウエル、セロニアス・モンク、古くはレスター・ヤン グ等、皆今一歩性格をよむ事は難しい。バードもしかりである。 ドラッグ、アルコールを除いてもバードの性格を考えると疲れる。

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BIRD and RODNEY
素面でのバードはどこにでもいる人の良い黒人の時が殆どであった が、素面でも通常では考えられない奇行を犯した事があるのは事実 として残っている。
ある夜バードは友人と一緒にダウンタウンを、歩 いていた際『ちょっと、面白い事をやろう』と友人に言い傍らにいた、 路上生活者に対しいきなり暴力をふるった。当然友人は開いた口 が塞がらない。かわいそうなのは前触れ無しにいきなり暴行を受け た路上生活者である。その直後バードは5ドルを彼に渡し友人に、 対して『俺はあの男に人間としてのプライドを持つ様少しばかり 教えてあげたのだよ』と言ったのである。

誠にバードらしい変った教え方である。この奇行とも言える行為は 素面でやった事である。
こんな粗暴な一面後年幼い一人娘のプ リーを肺炎で亡くしたバードは死に目に会えなかった為に鬱状態 になるなど、誠に感情の定まらない分裂を思わせるのがバードの 性格でありこれは、ごく一部である。様々な抑圧、衝動、錯乱など がミックスされており一言では彼の性格を表現する事は難しいの であるが、かなりの分裂気質を持った感情の浮き沈みの激しい人間 としか自分には言えない。そこにドラッグとアルコールが加わると 全く判らなくなる。これがバードである。

バードの実働はプロ・デビューをして約15年そこいらである。その短い 間にあれだけ膨大な量の音楽を創造したのであるから、考え様に よっては一見奇行と思われる行為をとっても、あながち不自然では 無いのである。

随分と他人様に迷惑をかけたバード。迷惑を被った方達のおかげで 今自分を含む全てのバード・フリークは彼の音楽を楽しめる訳である。彼の奇行、暴 力にあわれた方達に対して改めて有難うと言わせて頂きます。

BIRD STILL ALIVE!!

 

 

2002. 1.19 小西 謙
 

 

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