個人的 パーカー音源紹介 1
録音音源:
1954年 3月31日&12月10日 Verveでのスタジオ録音
主な収録CD:
Verve「the cole porter songbook」
Verve「THE COMPLETE CHARLIE PARKER ON VERVE」
1954/ 3/31
(as )C.P.
( p )Walter Bishop Jr.
( g )Jerome Darr
( b )Teddy Kotick
(ds )Roy Haynes
  1. I Get A Kick Out Of You
  2. Just One Of Those Things
  3. My Heart Belongs To Daddy
  4. I've Got You Under My Skin

1954/12/10
(as )C.P.
( p )Walter Bishop Jr.
( g )Billy Bauer
( b )Teddy Kotick
(ds )Art Taylor
  1. Love For Sale
  2. I Love Paris
the cole porter songbook

 しょっぱなからパーカー最晩年の録音の紹介ですね。それぞれパーカーの死ぬ1年前、3ケ月前の録音です。薬物中毒、アル中などの影響ですでにパーカーの身体はぼろぼろに蝕まれているはずです。
 誰の目にもパーカーの衰えがあからさまにわかります。音はひずんで、絶え絶えになり、フレーズは所々とぎれとぎれになります。

 しかしパーカーの凄いところはその音楽が最後まで「パーカー・ミュージック」であり続けたところです。

 録音はLP時代の幕を開けて急速に発達し、すでにハード・バップ時代の、クオリティの格段に上がった録音に移り変わりましたが、その録音が皮肉にも、ビ・バッパーの最高峰、チャーリー・パーカーの最後をさらしものにしています。
 そんな中でパーカーは、昔と変わらぬテンポで、フレーズも昔からのスタイルをつらぬきとおしたまま、何の憂いをこめるわけでもなくサックスを吹き続けています。パーカーがどんな状態になってもパーカーという人間であることに変わりがないように。
 そしてパーカー・ミュージックはパーカー・ミュージックそのままの姿で色褪せ、朽ち果て、ぼろぼろに欠けていきます。
 そのさまがどこかしら私たちの心を動かします。

 ぼろぼろのままで、明るい曲想そのままに演奏される「I Get a Kick Out of You」が悲しいです。  

 

1999. 2.16 よういち 


Permission granted by Doris Parker under license
by CMG Worldwide Inc. USA

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