個人的 パーカー音源紹介 44
録音音源:
1950年 5月15,16日 N.Y. Birdland でのライブのラジオ収録
主な収録CD:
Sony Records「One Night in Birdland」(大部分)
Sound Hills「PERFECT COMPLETE COLLECTION Vol.5, 6, 7」
1950/ 5/15,16
(as )C.P.
(tp )Fats Navarro
( p )Bud Powell, Walter Bishop Jr.
( b )Curly Russell, Tommy Potter
(ds )Art Blakey, Roy Haynes
(voc)Little Jimmy Scott, ( Chubby Newsome ? )

  1. 52nd Street Theme ( I )
  2. Wahoo
  3. 'Round Midnight
  4. This Time the Dream's on Me
  5. Dizzy Atmosphere
  6. Night in Tunisia
  7. Move
  8. 52nd Street Theme ( II )
  9. The Street Beat
  10. Out of Nowhere
  11. Little Willie Leaps
  12. 52nd Street Theme ( III )
  13. Ornithology
  14. I'll Remember April
  15. 52nd Street Theme ( IV )
  16. Embraceable You
  17. Cool Blues
  18. 52nd Street Theme
One Night in Birdland


 これまた笑ってしまうほど豪華なメンバーですが、共演の希少性という意味で注目はファッツナバロでしょう。

考えてみればナバロの小コンボでのライブ録音なんかめったにあるもんじゃないのではとおもいますが、スタジオ録音で聴くことの出来るメロディーの端正さは、生き馬の目を抜くライブの場でも生かされています。
 パーカーが刹那的にフレーズを燃やし尽くしていく一方で、ナバロはトランペットを無責任に吹きならすことなく着々とメロディーを紡いでいきます。ミディアムに近いテンポの「Night in Tunisia」「Out of Nowhere(というよりもNostalgiaですね、こりゃ)」は言うに及ばず、「Little Willie Leaps」や「Dizzy Atmosphere」のような超アップテンポの曲でも、じっくりソロを耳で追っていくと、なんとかこの曲を歌っていこう、あとにつなげるフレーズを吹いていこうとしている姿勢が感じられます。

 一瞬一瞬に全てをかけるような刹那的な演奏をするパーカーに対してメロディーを紡いで積み重ねていくナバロ、この対比は結構オツなもので長期的に組んでいたらガレスピーよりも名コンビになったかも、と私はおもったりもしますが。
 それにしても、あと2ヶ月たらずで結核で死んでしまう人のプレイとはおもえませんね。

 もうひとつの目玉パウエルについては、だれと共演していようがおかまいなしのとてつもないプレイがあちこちでみられます。自分の世界に没頭しきって、全てを置き去りにしていってしまうような演奏です。「Dizzy Atmosphere」なんか、もう好きにしてちょうだい、といいたくなるような手の付けられないソロです。

 一方のパーカーは、録音が悪いせいでピンとこないですがなかなかの切れ味をみせているのではないかと私はおもいます。
 「Move」でのパーカーのソロの出だしが私は大好きです。ナバロのソロが影響したのか、パーカーはいきなりスタートダッシュをかますことなく、フレーズを2つほど小出しにして、一息置いてから、やおら目くるめくフレーズを繰り出していきます。たまらないっ。

 それにしてもこの日のバードランドは「Embraceable You」以降でリズムセクションがウォルタービショップJr.、トミーポッター、ロイヘインズに総入れ替えになったり、以前に紹介したConceptionのジャムセッションもこの日にあったらしく、いったいどんなライブだったんでしょ。

 

 

2000. 8.30 よういち 

 

 

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