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| パーカーのワンホーンの有名なスタジオセッションですね。 輪郭のはっきりしたクリアな録音はいろいろなことを露骨に物語ってしまうわけで、アップテンポの曲での高揚していくフレーズとは裏腹にそのサウンドは終末へのかすかな予感を漂わせています。 当時のライブ録音やプライベート録音からはまだまだ分かりませんが、この録音を聴くと、フレーズはあいも変わらずいつものパーカーですが、図太い音色のしなやかさ、うるおいは少しずつ失われつつあることにどうしても気づかされてしまいます。この録音のサウンドには「Kim」のような超アップテンポの曲よりも「Cosmic Rays」のちょっぴりたそがれたようなブルースが似合うように思います。落ち着いた響きのリズムセクションもちょっぴりくすんだサウンドにうまく溶け込んでいます。 とはいえ、ちょっぴりアップテンポのスタンダード「The Song Is You」がわたしのお気に入りだったりします。パーカーのソロの、最終コーラスのサビの部分からラストにかけてのフレーズが頭にこびりついていて、ここにさしかかるとおもわず合唱してしまいます。クライマックスにトクトクと湧き立ってくるフレーズ、すぱっと余韻を断ち切るようなソロの終わり方、見事です。 パーカーのサウンドに高揚感と陰りが入り交じる、結構複雑な気分になる音源です。 
 
 
 
 
 1999.12.25 よういち  
 
 
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